大篠夏彦さんの文芸誌時評『文芸5誌』『文學界 2021年02、03月号』をアップしましたぁ。大篠さんには文芸5誌すべての時評を行っていただきますが、エンジンがかかるのはもうちょい先のようです。皆さんそれなりに忙しい。当たり前ですが。
前回大篠さんは文藝の山下紘加さんの「エラー」を取り上げておられましがた、既刊単行本3冊を見ると表紙がすべてマンガ的なイラストですね。つまり河出書房新社は山下さんをラノベ系の作家として位置付けて売り出している雰囲気。しかし大篠さんが書いておられるように、石川もまた山下さんは純文学系作家だと思います。
これがどういう流れになるかというと、恐らくこの表紙では純文学の賞である芥川賞の対象にはならない。また作家は版元の意向に沿うことが多いですから、山下さんもじょじょにラノベ的な作風に移行していく可能性もないことはない。
何が良い作品なのか、判断基準が揺らいでいる、というよりほとんど見えなくなっている現代では、作品の選考基準は行き当たりばったりで、ズバッと決まったと感じることが少ないです。プロの編集者が迷ってるんだから、作家はなお迷いますよね。でも解決方法は一つ。作家が自分で今の状況を読み、信念を持って恣意的な文学評価基準の上を行くことです。
■ 大篠夏彦『文芸五誌』『西村賢太「廻雪出航」』(文學界2021年02月号) ■
■ 大篠夏彦『文芸五誌』『李琴峰「彼岸花が咲く島」』(文學界2021年03月号) ■
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