『りょんさんのときどき集中連載』『世相をわらう8―なんでまたこんな開会式に』をアップしましたぁ。東京オリンピックが始まりましたね。ドタバタ続きで競技はともかく、開会式はどうなるんだろうと危ぶまれていましたが、いやーな予感は当たりましたね。んー酷かった。コロナというエクスキューズがあってよかったね、という感じです。
YouTubeでは、若くてイケイケのミュージシャンのお兄ちゃんが、なんで「イマジン」なんだ、って怒ってた。自分がジョン レノンが好きとか嫌いとか、そういうことじゃない、自分はジョン レノン大好きけど、って。ね、大御所から若い兄ちゃんまで、クリエイターなら皆、おんなじこと言うんだよ。思想が見えねぇんだよ、って。
で、思想っていうのを体現するためにはさ、その思想を自分のものとして抱えてる人が全権を振るわなければならないの。それがヒエラルキー構造をもって、大勢に伝わって、そして立ち上がってくるのが作品ってもんなんだよ。作品はピラミッド構造でないと見てられない。誰も責任とらない、民主的みたいなやり方じゃダメなの。それは大企業のサラリーマンとかさ、ミソつけないで暮らすことばっかり考えてる人たちには絶対、理解できないの。
りょん
週刊誌で報道されていますが、巨額の予算のついた東京オリンピックは予算ぶんどり合戦になったようです。開会式は数分単位に細切れにされ、各々に予算が配分され、利権を持った人たちが自分たちの集団にとって都合のいい細切れコンテンツを作った感じです。りょんさんが書いておられる通り〝全体を貫く思想がぜーんぜん見えなかった〟。失敗ですらないと思います。「失敗だね」と批判されるのは、果敢にチャレンジした時だけです。今回の東京オリンピック開会式は失敗以前。チャレンジすらしていなかった。
ロンドンオリンピック開会式では参加したクリエイターたちのギャラは1ポンドでした。要するにタダ。じゃあなぜポール・マッカートニーを始めとするクリエイターたちが参加したのかと言えば、開会式のコンセプトを理解できたから。素晴らしい開会式コンテンツになって人々の記憶に残る、それはギャラが高いより魅力的だと納得したからですね。実際テムズ川を船でゆくベッカムや、エリザベス女王を出迎えに行く007のダニエル・グレイグなどの姿をハッキリ覚えていますもの。それは彼らにとってお金では得られない名誉です。石川も「いろいろ問題あるけど、資本主義って楽しいっ!」と思いましたもの(笑)。
今や日本は世界に誇れる膨大なコンテンツを揃えているのに、あんなしょぼい開会式しか作れないのはホントに恥ずかしい。構造的問題が深刻なのだと思います。それは日本社会全体に、文学の世界も含めて蔓延しています。大局を捉えて全体の絵を描ける人がいない。全体を見通せる人がいない。いてもそういう人を立てようとしない。自分の利権を必死に守ろうという姿勢の方が強い。もちろんそう簡単には変えられませんが、変えようとしなければ何も変わらない。石川は楽天家ですから変わるだろうと確信していますが、まーありゃ恥ずかしいよ、と思わなければ何も変わらんでしょうな。
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