寅間心閑 連載小説『オトコは遅々として』(第38回)をアップしましたぁ。寅間さんの小説にはけっこう占いが出てきます。おみくじとかではなく対面方式の占いです。占いってなんだろう、小説で占いを小道具に使うのはどういう効果があるんだろうと考えてみるのも楽しいかもしれません。
占いは基本的に未来予想です。この未来予想は占ってもらう側の過去から続いている。姓名判断、星占いなどは過去→未来型の占いですね。ただしタロットはどんなードが出るかわからないのでおみくじに近い。おみくじと違うのはそれを占い師が〝読む〟点にあります。この読みには規則がありますが恣意的な読解を許す余地がある。
怪奇小説などでない限り小説の占いは小道具です。で、現実に即した小説では未来は予測不可能。ただ過去から現在が続いているわけですからほんの少し先は予想できる。しかし予想通りに進むと小説としては不出来です。そうすると小説の占いは作品を未知の方に引っ張るための小道具ということになる。作家自身にとっても謎のような占い結果をあえて書いてしまうこともあるでしょうね。そこからが正念場。言葉によって新たな展開が生まれる。なかなかスリリングな小説手法です。
■寅間心閑 連載小説『オトコは遅々として』(第38回)縦書版■
■寅間心閑 連載小説『オトコは遅々として』(第38回)横書版■
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