小原眞紀子さんの連載小説『幕間は波のごとく』第02回をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの新連載サスペンス小説です。
姉妹はかしましいと言いますが、それがお互いの過去や現在の利害が対立すると、口角泡を飛ばす(古い言い方ですが)議論になります。『幕間』ではそれが冒頭に置かれているので非常にスピード感があり、読者を惹きつけます。熊本弁が多用されているので意味がよくわからない箇所もありますが、それも気にならない。
また議論が白熱するためには、登場人物の人格がハッキリ確立されている必要があります。小説では議論と言っても作者によって一定方向に誘導されている場合が多いわけですが、本気で個と個が言い争えば、客観的な理非とは別に泥沼の言い合いになるのが本当です。『幕間』では議論が伯仲する。つまり登場人物造形がしっかりしています。
加えて冒頭に現れる4姉妹のいずれかが、殺人を含むなんらかの事件に関係しているはずです。しかし個性の強い4姉妹なので誰が何のキーを握っているのかわからない。続きが楽しみになる小説です。
■ 小原眞紀子 連載小説『幕間は波のごとく』第02回 縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連載小説『幕間は波のごとく』第02回 横書版 ■
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