ラモーナ・ツァラヌさんの『演劇金魚』『未来と過去が生み出す幽玄―VR能『攻殻機動隊 The Ghost in the Shell』』をアップしましたぁ。士郎正宗さん原作漫画『攻殻機動隊』のVR能を取り上げておられます。演出は奥秀太郎さんです。能楽の世界でも、いろいろと新しい試みが為されているのですね。
ラモーナさんは『この「能の美意識に叶った」という点は重要だ。昨今能という芸術の可能性と未来を真剣に考える能楽師の方が増えているが、ここにそれを可能にする大きなヒントがあるだろう。能の世界を形作っている物理的な枠組みよりも、能が追求している芸術的理想を重視すべきだということである』と書いておられます。
落語と同様に、能の世界にも昔から新作能があります。ただ能の形式に現代的な言葉(台詞)を合わせてゆくのは難しい。従来通りの作法にのっとって台詞を作るためには学者レベルの知識が必要です。ただその過程で新作能が持っていた〝新〟の部分が薄れてしまうのもしばしばです。かと言ってまったくもって〝新しい〟ことをやりたいのなら、なにも能である必要はないわけです。
今までの新作能では基本的に、能の型に新作のアイディアなどを合わせてゆくのが基本でした。それは必要なことですが、能の方でも新作に合わせて少しだけ型を変えてゆく必要があるでしょうね。その場合、何が最も重要な作品制作上のコンセプトになるかというと、ラモーナさんが書いておられるように『能が追求している芸術的理想』(とはなにか?)でしょうね。
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