小原眞紀子さんの連載小説『No.026 本格的な女たち』をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの同窓会サスペンス小説です。主人公への警察の追求はひとまず止んだようですが、事件の真相追究は続きます。この小説、どこに読者を連れていってくれるんでしょうね。一筋縄ではいかない〝本格的〟サスペンス小説です。
小原さんには今月からYouTubeの文学金魚ちゃんねるを開始していただく予定です。『源氏物語論』に基づいたお話になると思います。ただし小原『源氏物語論』は単なる古典文学論ではありません。『現代に読む』という副題があるように、小説とは何かを原理的に探求した理論書でもあります。こういったアプローチは過去にはありませんでした。
皆さん小説や詩をお書きになる。まず作品を書くのが先行すると思います。小説とは何か、詩とは何かは書いているうちにわかってくるだろうとお考えになっていると思います。しかしそんなに簡単ではありません。長いキャリアを持つ作家でも、自分が関わるジャンルの本質をつかんでいないことが多いのです。それが時として、年齢を重ね作品を重ねる内に、ジャンルの本質、つまり作品の魅力を失わせることにつながってゆきます。
小原さんは自由詩から出発した作家です。そして小説や評論もお書きになる。詩で思考と筆力などを鍛えて他のジャンルに表現の幅を拡げていった作家です。その場合に必要となるのがジャンル別の原理、つまりジャンルごとに違う創作の掟の理解です。これを理解していないと詩のような小説を書いたり小説のような詩を書いて終わってしまう。有名作家が他ジャンルに手を出せば遠慮して誰も言いませんが、ほとんどの場合、まともな作品になっていないのは明らかですね。
今は情報化社会です。情報とは何かと言えば、知識です。正確な知識があれば、遠回りせずに近道できる可能性があります。詩や小説を書いていて他ジャンルの創作を行いたい方、また詩や小説一筋の方でもジャンルの原理=掟を知識として腑に落ちるように学べば必ず創作上でプラスになります。創作者は誰もが生意気であり、プライドが高い。良い面もありますが、ムダなプライドは邪魔になるだけのことも多い。学ぶ時は学ばなければなりません。小原さんの『源氏物語論』のお話は必ず皆さんの糧になると思います。
■ 小原眞紀子 連載小説『No.026 本格的な女たち』縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連載小説『No.026 本格的な女たち』横書版 ■
■ 第10回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
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