小原眞紀子さんの連載エセー『詩人のための投資術』『第十七回 事業投資II――革命のエチュード』をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ――現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの経済エッセイです。
今回はコンサルタントのお話ですが、小原さんは『金にまつわるよくあることとして、手段が目的化する。事業を行うために必要だった金のはずが、それを集めるのが目的となる』『若いコは、何をしたいではなく、ボクがどうなりたいという望みの方が切実だ。それも一種の手段の目的化』だと書いておられます。文学の世界でも頻繁に起こっていることですね。文学作品を書きたいのではなく有名になりたい、先生と呼ばれたい、作家の肩書きを得て社会で特権的な人間として生きたいと望んでいる人はたくさんいます。
ビジネスの世界、つまり実際に金が動く世界では最も人間と社会の本質が見えやすいところがあります。ある意味文学がお手本にしなければならないのはビジネスの世界です。小原さんはシビアな所シビアな所に動いて行っている気配がありますね。それは今の文学の世界で必要不可欠な事だと思います。文学を完全に俯瞰的に相対化して捉えなければ作家も文学業界も生き残れないでしょうね。
ただシビアなだけがビジネスではありません。世の中を変えたいという強い使命感を抱く人間がいるのはビジネスの世界も同じです。その方法について小原さんは『大事なのは「変える」ことだ。特定のプロジェクトに固執することなく、ときにはそれを大資本に売却する。それは起業コンサルが言うような自分たちが「売り抜ける」目的ではなくて、さらに世界を大きく変えていくための方途である』と書いておられます。勉強になりますね。ビジネスの世界、文学よりしたたかです。
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