小原眞紀子さんの連載エセー『詩人のための投資術』『第十二回 ビットコイン I――神話の誕生』をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ――現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの経済エッセイです。今回からビットコイン篇ですね。どんどんこのエッセイの核心に近づいているような気がします。
小原さんは『ビットコインの価値の裏づけとなるものは、ゴールドやプラチナなどの物質ではなく、国家権力への信頼でもない。不特定多数の認知または監視といったものだ。ある取引きが行われたときに、マイナーと呼ばれる者がそれを計算し、記録する。マイナーは不特定多数なので、不正が行われることはない。最初に計算に成功した者がビットコインで報酬を受け取る。この労力コストがいわばビットコインの価値の源泉である』と書いておられます。ビットコインは新しい通貨であるわけですが、その仕組みは今までにないものです。石川も詳しいわけではないので、小原先生、勉強させていただきます、といふ感じです(笑)。
文学に対するアプローチ方法は様々ですが、文学の中に閉じていたのでは不十分です。世界全体の動きを見なければなりません。そして世界は本質的に経済で動く。現代ではそれがどんどん顕著になっています。経済戦争は実在します。武器を使った戦争と同じくらい、あるいはそれ以上のダメージを与えられるのです。
たいていの文学者が一番不得意にしているのが経済です。でも経済の動きに注目すれば、世界の大きな動きが把握できます。小原さんの『詩人のための投資術』は、文学を世界の一部として捉えた世界視線を得るためのエッセイです。
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