第6回 金魚屋新人賞発表 【受賞】片島麦子『桜の下に還るモノ』をアップしました。公募の際のお名前は七星麦さんでしたが、著者の意向により片島麦子さんで発表します。片島麦子さんはすでにキャリアのある作家の方ですが、新人賞応募要項にある通り、金魚屋ではまったくの新人、キャリアのある作家を問わず公平に選考を行います。また選考は作品主義です。
片島さんについては公募時のお名前が七星麦さんであり、金魚屋ではほぼ作家の略歴を気にしませんから、受賞が決まってからキャリアのある作家さんだと気が付きました。ただま、受賞が決まってみると、そうだよね~という感じではありました。圧倒的なレベルの高さでしたから。しかしある意味受賞して当然の作家が、当然のように受賞するのはとても難しい。本当に力のある作家にしかできないことです。
辻原登先生は、原稿の書き方に難がある応募作が多くて、ちょいとおかんむりでした。「原稿の見た目がキレイじゃないね」「人の作品を読まないで書いてるだろ」などブツブツおっしゃっていました。それはまーその通りだと思います。全部ではありませんが、ワープロ原稿であっても原稿の姿形を視覚的に捉えただけで、これはいい作品だろうなと思うことが石川にもあります。他者の作品を読まないで書く傾向が強いのは新人作家一般に言えることです。
しかしオリジナリティはそんなに簡単に湧いてきません。天才などという、天から降ってくるラッキーなどありません。自分で作品を書いてみて、ちょっとでも素人臭いな、設定や物語展開がいびつだなと感じれば、それは他人の目には数倍に増幅して映ります。プロのレベルに達するまでは先行するプロ作家の作品を読み、様々に試行錯誤してみるしかないのです。
もちろん文学金魚では新たな作家を常に求めています。文学出版を取り巻く状況は相変わらず厳しいですが、まず優れた作品を書ける作家が現れなければ何も変わらない、変えようがないのです。
■ 第6回 金魚屋新人賞発表 【受賞】片島麦子『桜の下に還るモノ』 ■
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■ 第7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
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