鶴山裕司さんの『BOOKレビュー・詩書』『No.026 ミニマム・アラベスク――九堂夜想句集『アラベスク』』をアップしましたぁ。九堂夜想さんの、多分ですが処女句集『アラベスク』の書評です。鶴山さんの書評を読む限り、前衛系の俳人と言っていいでしょうね。同人句誌『LOTUS』所属の俳人さんです。
俳句や短歌は日本の古典文学の系譜の上にあります。つまり広い意味で東洋文学。この出自は歌人や俳人がどう足掻いても変えられない。東洋文学はある意味絶対的な古典原書回帰です。江戸の儒教など馬鹿馬鹿しいと考える現代人は多いですが、そうとも言えない。四書五経にすべてがあるという考え方は東洋文学の原理的姿です。和歌なら『新古今』『古今』『万葉』にすべての可能性が含まれている。俳句なら『子規・虚子』『蕪村』『芭蕉』があらゆる可能性を示唆している。原点がある。
ただ原点はあり、かつそれが不動ではないのが『聖書』や『クルアーン』などの宗教書と違う点です。原点回帰しながら常に現代性を見出し、新たな表現を生み出してゆくのが東洋文学の一つのあり方です。古典テキストを絶対化するのではなく、その回帰パターンを創造パターンと認識すること。つまり東洋文学はポスト・モダンに近い方法で新たな文学を生み出し続けてきた。
短歌は57577,俳句は575に季語から逃れられないと思います。だけどそれは絶対的な型ではありません。型を生み出したパターンがあります。それを射程に捉えれば、古典的かつ前衛的表現が可能になる。ただ古典系の文学に関しては、徒手空拳の前衛はあり得ないでしょうね。
■ 鶴山裕司『BOOKレビュー・詩書』『No.026 ミニマム・アラベスク――九堂夜想句集『アラベスク』』 ■
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