『金魚屋単行本3冊同時刊行!』をアップしましたアップしましたぁ。金魚屋では12月1日に、
・原里実 短編小説集『佐藤くん、大好き』
・小原眞紀子 評論集『文学とセクシュアリティ―現代に読む『源氏物語』』
・鶴山裕司 評論集『夏目漱石論―現代文学の創出』
の3冊を同時刊行します。ようやく、よーやくといふ感じで単行本刊行の準備が整いました。新しいメディアが新しいことをしようとすれば、どーしても時間がかかるのだなぁ。
また単行本刊行に際して斎藤都御大に原稿を書いてもらいました。もう代表は退かれましたが、金魚屋の基本コンセプトは齋藤さんが生み出したものです。さすがに明快な内容です。辻原登先生と並ぶ金魚屋の一番偉い顧問のお一人ですが、辻原さんは優しいのに、石川は定期的に金魚さんから罵詈雑言を浴びせかけられているのだなぁ。ご本人は叱咤激励のつもりだと思いますが(笑)。
原里実さんはウルトラ・ラッキーガールです。金魚屋首脳陣が原稿を読んで、一発で単行本化が決まった。石川は長いこと編集者をやっていますが、こんなの見たことない。それだけ力があるということですが、本は出る時は出るということでもあります。もちろんこれから本格的なスタートです。ひとつ作品を書くのと本を作るのはぜんぜん違う。一冊本を出せば頭一つ抜ける。原稿を書くだけから本の姿を考えるようになる。作家は一歩ずつ階段を上っていかなければなりませんが、この作家、同世代に大きく水をあけるかもしれません。
小原さんの『文学とセクシュアリティ』は文学金魚連載の評論です。それを長い時間をかけて緻密にエディットしていただきました。小原さん考案のテキスト曲線によって、『源氏物語』はもちろん現代文学も読み解いています。男性性と女性性は、男と女という性別とは別のものであり、文学にとって最重要かつ決定的要素だということがわかります。小原さんは詩人で小説家でもあり、こちらの仕事も進んでいます。総合文学作家の一人ですから、詩と小説のお仕事もじょじょに文学金魚で単行本化していく予定です。
鶴山さんはもう忘れていると思いますが、初稿の古い『夏目漱石論』には柄谷行人批判がありました。必要ないということで削ったところからリライトが始まりました。当時の鶴山さんの頭の中には、柄谷さんの『漱石論』と『日本近代文学の起源』の全否定的見解があったと思います。柄谷さんは〝創作批評〟を始めた批評家です。文学作品をダシに批評家が好き勝手書く批評スタイルを作った。ただ文学作品を前提としない柄谷作品には魅力がなく、思想家として突出した仕事も残していない。柄谷さんに追随する頭の悪い〝創作批評家〟をごっちゃり生み出しただけです。鶴山さんの『夏目漱石論』には直接批判はありませんが、実質的に柄谷さん的創作批評を全否定しています。また『日本近代文学の言語像』3冊が出揃えば、柄谷さんの『日本近代文学の起源』は完全に過去の遺物になるでしょうね。
■ 第6、7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■