青山YURI子さんの連載小説『コラージュの国』(第15回)をアップしましたぁ。『(モンゴル)×(ベネズエラ)×(韓国)=?』のコラージュの国への旅の続きです。今回は小説的自己言及の回ですね。この作家の場合、こういった記述が入り交じるのは当然だと思います。
小説を含む創作には様々なフェースがあります。石川は編集人ですから作家たちを全世代に渡って眺めています。作家として一番信頼できる世代はおおむね50代以降ですね。もちろん有名無名に関わらず、その年齢になるまで文学思想と技術を鍛錬してきた作家に限られます。そういう作家はプロです。一定レベルの作品を一定のペースで量産できます。どの版元でも中核になっているのは50代以降の安定した作家です。
でもそれだけではダメなわけで、新人作家も必須です。新人作家とは、ありていに言うと若い作家という意味です。そういう作家には華がある。なにが華なのかというと、一言でいうと勢いですね。荒削りでも未熟でも勢いがある。それが華になる。ただし安定しない。安定したプロになれるかどうかは作家次第という不安定な世代です。ほとんどの新人賞作家がいつのまにか文学の世界から消えてゆくのです。
どの版元も、本を売って利益を上げるだけではなく、文学の世界に新しい潮流を巻き起こしたいと望んでいます。そうでなかったら、文学のような儲からない仕事はしないですね。もっと利益率が高い商売は世の中にいくらでもあります。また中堅作家と新人作家が引き起こす可能性のある変化は質が違います。これも簡単に言えば、中堅作家の変化は本質を衝いていなければなりません。新人作家の場合は変化のきっかけでも良い。青山さんはじゅうぶん変化のとっかかりを持つ作家だと思います。
■ 青山YURI子 連載小説『コラージュの国』(第15回)縦書版 ■
■ 青山YURI子 連載小説『コラージュの国』(第15回)横書版 ■
■ 第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■