原作小原眞紀子、作露津まりいさんの連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第26回)をアップしました。第14章『天使の贈り物あるいは言葉の環』です。今回はカオルさんの歌詞がありますが、これは小原さんが作った詩なんでしょうね。こういう小道具、大事です。石川が作家は使えるものはみんな使えと口をすっぱくして言っていることと、一脈通じますね(笑)。
もんのすごく単純なことを書きますね。小説って詩より長いです。石川、詩集や歌集、句集も読みますが、単純に読書時間だけなら、詩作品の単行本は1時間もあれば一冊読めます。もち重要だなと感じた作品はそれから時間をかけて味読するわけですが、しょっぱなの読書時間はとりあえず短い。小説は違います。薄い本でも数時間はかかる。頭の方を読んで、仕事ぢゃなければ最後まで読まないぞーと感じる作品も多いです。
小説にとって、最後まで読ませることは、絶対的に重要です。純文学も大衆文学も関係ありゃしません。読んでもらわなければ何にも始まらない。それには物語と謎が必要。事件ぢゃなく人間心理でもかまわないわけですが、この二点は必須です。駆け出しの純文学作家は〝俺の、わたしの作品を読者に読ませてやるんだ〟くらいの気持ちを持っていることもしばしばですが、それでは絶対ダメ。読者に読んでいただくんですよ(笑)。それがわからなければ進歩も進化もありません。詩でも同じことですね。
読者に作品を読ませる、読んでいただくということは、自分なら自分の作品を最後まで読むか、楽しんで読むか、あるいは楽しくないけど重要なことが書かれていると感じるから読むか、読み通せるのか、という意識を生みます。自己の作品を可能な限り客観的に捉えるんですね。それが作家の第一歩です。作家や詩人のカンバンなんて意味ありません。開店休業の作家なんて掃いて捨てるほどいます。読者を獲得しなければ作家業は続きません。当たり前のことですね。
■ 小原眞紀子・原作 露津まりい・作 連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第26回) 第14章『天使の贈り物あるいは言葉の環』縦書版 ■
■ 小原眞紀子・原作 露津まりい・作 連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第26回) 第14章『天使の贈り物あるいは言葉の環』横書版 ■
■ 第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■