寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『三、バイアグラのジェネリック』をアップしましたぁ。物語が事件を伴って動き出す気配ですね。
寅間さんの文学金魚連載小説は、『助平(すけべい)ども』で4作目です。そこそこのハイペースだと言えます。書きたいことがなければ小説は書き続けることができません。表現の核を持っていなければ、すぐに書き悩んでしまう。当然ですがプロの作家は書き続けられること、いくらでも書けること、つまり表現の核を持っていることが必須要件になります。
ただプロとして安定して活動してゆくためには、表現の核の質が問題になります。才能の質が一段高いレベルで問われるのです。いずれかの時点で作品が表現の核の本質、つまり作家の生(実存)を貫くテーマを抉っていなければならないわけです。
作家が自らの本質的テーマをある小説で書き尽くしてしまうと、それ以降はいわば余生となってしまうこともあります。ただそんなことが起こるケースでは、大抵はテーマの掘り下げが甘いのです。人間の心は言葉で書き尽くすことはできません。掘り下げてゆくと〝やっぱ嘘だよな〟という所までたどり着く。そこからが本当の勝負でしょうね。
言葉というものの持つ特性上、直線的にある心理を描いてゆくと、必ず取りこぼれてしまうものがある。つまり微かな嘘が混じり込む。それをさらに追い詰めてゆくための方法は様々です。同じ方法で同じテーマをさらに掘り下げてみることも必要です。また小説の書き方を変える方法もあります。ただこりゃ嘘だな、書き尽くしてないなと感じるまで書いてみないと、そういったステップが見えてこないのも確かでありますぅ。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『三、バイアグラのジェネリック』 縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『三、バイアグラのジェネリック』 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■