山際恭子さんのTVドラマ批評『No.176 越路吹雪物語』をアップしましたぁ。テレビ朝日さんで月から金曜日の12時50分から放送されている昼帯ドラマです。大地真央さん主演で瀧本美織、濱田マリ、渡邉このみ、木南晴夏、市毛良枝さんらが出演しておられます。脚本は龍居由佳里さんです。
越路吹雪といえばやっぱシャンソンですね。大昔銀座に銀巴里というシャンソン喫茶(ステージかな)がありまして、石川も何回か行ったことがあります。さすがに越路吹雪さんには間に合いませんでしたが、金子由香利さんとかを見たなぁ。歌詞はほぼ日本語でしたね。銀巴里には独特の雰囲気がありまして、その根を辿ってゆくと日本人のフランスへの憧れ、その文化的香り、戦後のスノビズムとエスプリなど様々なことが浮かび上がってくると思います。銀巴里閉店はある精神文化の変容を示唆していたでしょうね。
山際さんは『少女の成長物語は、まさに正調の日本ドラマである。成長させる制度は多くは学校、職場、『千と千尋』の夢の銭湯というのもある。ヒロインの少女は、やがてその制度の場でトップに立つ。最初にヒロインを押しつぶそうとした制度は、そのとき彼女の血肉となっている、という寸法である。このような正調の日本ドラマの主人公が、どうしても女性、それも少女の時分から描かれなくてはならない、というのは繰り返しの考察に値する。日本国民一人ずつが自身を投影できる存在は女性のヒーローなのだ』と批評しておられます。
これは面白い問いかけですね。大河ドラマの男の主人公は、多かれ少なかれ制度と衝突し、それを打ち破って新たな制度そのものになることが多いです。それに対して女性ヒロインは、さざ波を立てても制度によりそい、やがてその制度の正しさを保証する母性的存在になってゆく。もちろん前提として〝どんな制度を選ぶのか(寄り添うのか)〟という大きな問題があります。制度を壊すにせよその正しさに寄りそうにせよ、心を身体を作用させる対象を正しく選ばなければ、空回りしてしまうということでもあります。
■ 山際恭子 TVドラマ批評『No.176 越路吹雪物語』 ■
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