青山YURI子さんの連載小説『コラージュの国』(第06回)をアップしましたぁ。現実世界を縦横無尽に横断する若い2人の旅は続いています。コラージュやパッチワークは現代世界を表現するための重要な要素です。現代アートの世界では、60年代頃にコンバインと呼ばれる技法で作られた作品がありました。ラウシェンバーグの作品などが有名ですが、石川はアルマンとかが好きだったなぁ。ラウシェンバーグは審美的でしたが、アルマンはホントに殺伐とした作品でそれがよござんした。
60年代コンバインはまだダダの影響をうっすら引きずっていて、既成の美術概念をぶっ壊そうという意図がありました。ただ現代のコンバインは違います。現代社会はある意味コンバインなのです。新たな試みや発明がなされても、それは過去のリソースの組み替えと更新であることをみんな知っています。無から有を生み出すことは過去にもなかったのですが、その仕組みが現代では完全に露わになっている。まだ文学者の天才幻想に浸っている人が少なからずいますがアホらしいことです。時代は完全に変わった。
現代ではこのコンバイン世界を前提として文学も更新されてゆくはずです。前衛的文学という意味ですけどね。ネットサーフィンするように読者の興味が変わる精神世界を前提とすれば、それを的確に表現した作品が現れなければおかしいのです。引用とその改編、意識から無意識への飛躍と往還、文字から絵や写真への転換と溶解など、まだ表現しきれていない現代性はたくさんあります。難しいのはそれをパッケージにしてまとまりをつけること。青山さん、奮闘しておられます。
■ 青山YURI子 連載小説『コラージュの国』(第06回)縦書版 ■
■ 青山YURI子 連載小説『コラージュの国』(第06回)横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■