金魚屋新人賞関連コンテンツ、『文学新人賞のすべて―作家デビューのための心得』をアップしましたぁ。第04回金魚屋新人賞は辻原登奨励小説賞・文学金魚奨励賞ともに受賞該当作なしで、辻原先生が松原和音さんの『学生だった』一作を佳作にお選びになりました。この結果自体は十分に議論と検討を重ねた結果ですが、新人賞の募集方法について、久しぶりに齋藤都御大の雷が落ちてしまひました。要するに説明が足らん、と。
どの文芸誌でも新人賞には傾向と対策があります。もちろん受験じゃないわけですからメディアの都合に合わせて作品を書く必要はありません。ただ文学新人賞とはどういうものなのかを十分に説明した上で、文学金魚が求めている作家像をもっとはっきり応募者の皆さんに伝えるように、という指示が飛んできました。
作家を目指す方たちは、まあはっきり言って文学新人賞がどういったものなのか、今ひとつわかっておられないと思います。かなりの方が、手当たり次第にいろんな新人賞に作品を応募しているのが実情ではないでしょうか。
それもそのはずで、どの文芸誌も枚数や締め切りの規定は示しますが、どのような作品あるいは作家を欲しているのか、ほぼ全く基準を明らかにしていません。これには理由があります。文学作品は出たとこ勝負なのです。純文学誌でも、もんのすごくおもしろいホラーでかつ純文学的要素を満たしていれば、新人賞を与えると思います。そういった期待を含めて門戸を幅広く開いているわけです。
ただ例外はほとんど起こらないから例外なのであり、たいていの場合はメディアごとの特性(アイデンティティ)に沿った新人賞の授与になります。これについては文学金魚も同様なのですが、できるだけ金魚屋新人賞の選考基準を明らかにした方がいいという指示を受けました。
またすべてのメディアは作家というものに対して期待している基準を持っています。新人賞で力尽きるような作家はいらないのです。そのあたりの新人賞応募規定では見えてこない文学の世界のルールというか、期待値についても明らかにした方がいいということになりました。
以上の新人賞を巡るポイントは、石川はかなり編集後記で書いているつもりだったのですが、要点をまとめないと伝わりにくい、と。そのため大篠夏彦さんと谷輪洋一さんにお願いして、過去の編集後記から新人賞関連情報を抜粋していただきました。まだ追加途中ですがそれを公開します。
現代は情報化社会です。文学新人賞というものについても、できる限り情報を公開した方が、作家を目指すみなさんの『大きなリスクと労力コスト、エネルギーと意欲のロス』を減らすことができると思います。是非参考にしてください。
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■