大野ロベルトさんの連載映画評論『七色幻燈』『第十七回 二重の霧に包まれて』をアップしましたぁ。ジョン・カーニー監督の『シング・ストリート 未来へのうた』を取り上げておられます。アイルランドが舞台の青春映画です。「シング・ストリート」は主人公のコナー少年(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)が結成するバンドの名前です。閉塞的で希望の持てないアイルランドからの脱出の手段として、音楽が重要な小道具になっています。
イギリスはロックとサッカーに熱狂する国というイメージがなきにしもあらずですが、実際にはとぉっても静かな国民性です。普段は静かだと言った方がいいのかな。ジェントルマンという概念を生んだのはイギリスですが、もちろんそれは富裕層と労働者階級を前提としています。王室大好きですが、カトリックやプロテスタントとの軋轢がないわけではない。様々な抑圧を抱えている国であり、そのフラストレーションがロックやサッカーへの熱狂で大爆発してるやうなところがあるなぁ。お隣の小国アイルランドは、もっと閉塞的で抑圧的要素が強いです。
ただそういった近現代の矛盾を先取りしたようなイギリスだからこそ、様々な魅力ある文化を生み出したのだとも言えます。イギリス、ファンタジー小説大国です。アリスからハリポタに至るまで、世界で通用するファンタジー・キャラクターを生み出し続けている。ファンタジーといっても現実離れした夢想ではなく、厳しい現実直視を好むアングロサクソン的精神性が、現実的裏付けを持つファンタージーになるから説得力があるんでしょうね。
で、大野さんの映画評は今回で17回目です。どんどん尽きるまでいきましょう。エセーという表現は、あらかじめ用意したネタが尽きてからが勝負です。
■ 大野ロベルト 連載映画評論 『七色幻燈』『第十七回 二重の霧に包まれて』 ■
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■ 予測できない天災に備えておきませうね ■