小原眞紀子さんの連作詩篇『『ここから月まで』 第13回 路/禁/扉』をアップしましたぁ。小原さんのCool抒情詩第13弾です。『扉』といふ詩篇は小原さんらしい作品ですね。理知的ですが思想的堅苦しさがない。抽象からスッと具体に抜けようとする。
僕の肉体がここにあるとき
僕の意識は向う側にある
問題なのは
僕には向うが見えないことだ
意識はあるというのに
目がこっちに留まっているから
それはまずいので
目を皿のように
向う側を見つめる
(小原眞紀子『扉』)
石川、自由詩に対して厳しいことを言いますが、理由はこのジャンルがマジでヤバイことになっているからです。その割には詩人さんたちは呑気なんだな。ちょい前まで日本の詩の序列は自由詩がダントツトップでした。今は俳人、歌人さんですら『一昔前に現代詩の時代があってさ』と公然と言うようになっています。でもなぜか詩人さんたちは〝一昔前の現代詩〟の栄華かなんかしりませんけど、それに囚われてるんだな。
小原さん、ぽんぽん作品を書きます。詩でも小説でも批評でもお書きになれる。マルチジャンルで多作です。状況は短期的に見れば10年くらいのスパンで変わってゆきますが、ここ10年から20年の間は、詩のジャンルに関しては〝いかに既存の詩の概念から抜け出すか〟がアポリアになると思います。それが現代の詩であって、現代詩という過去の遺物ではごぢゃりません。
■ 小原眞紀子 連作詩篇 『『ここから月まで』 第13回 路/禁/扉』 縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連作詩篇 『『ここから月まで』 第13回 路/禁/扉』 横書版 ■
■ 第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■