田山了一さんのTVドラマ批評『No.141 デスノート New Generation』をアップしましたぁ。HuLuさんのオリジナルドラマです。東出昌大、池松壮亮、菅田将暉さんらが出演しておられました。原作・大場つぐみ、作画・小畑健さんのマンガが原作であることは、もう言うまでもないですよね。何回映像化されても飽きないコンテンツです。
ロングヒットの理由を田山さんは、『『デスノート』はスリラーであると同時に、ファンタジーである。現実の世界での恐怖によってサスペンスを与えながら、その世界の根源に「死神のノート」という想像的なフィクションを置く。このフィクションが観念を生み、登場人物が入れ替わっても、世代交代しながら同一の世界を保ち続ける。その観念が SF 的な思想ではなく、ノート利用の厳格な「ルール」であることが、ジャンルとしても新しい』と批評しておられます。この作品では〝デスノート的世界観〟がはっきり確立されているのです。
田山さんはまた、『今、純文学が以前にも増して読まれなくなり、その原因としては読者の側の心変わりにあるというよりは、書き手の側の迷走が第一に挙げられると思う。「純文学」が前提としていた、大きく共通した世界の価値観を(中略)誰も信じられなくなっている。(中略)それを捉える従来の視点が通用しなくなっている。こうなると人は世界の方を歪めたり、矮小化したりして、捉えやすい擬似世界を措定する。ヒット作シリーズは多かれ少なかれ擬似的な世界を確立しているが、今ほどそういった世界構造が渇望されたことはないのではないか』と批評しておられます。
最近、長編マンガがドラマや映画の原作に採用されることが多いのは、そこにしっかりとした世界観が築きあげられているからでしょうね。小説に世界観がないとは言いませんが、文字メディアで捉える世界観とヴィジュアルメディアのそれでは、やはり違いが出るようです。このあたりの差異を考え抜かなければ、小説の復権はなかなか難しいかもしれません。
■ 田山了一 TVドラマ批評 『No.141 デスノート New Generation』 ■
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