鶴山裕司さんの連載歴史小説『好色』(『好色』(第11回 最終回))をアップしましたぁ。文学金魚では初めての歴史小説も今回で最終回です。衝撃的な大団円になっております。ただま、封建の世の息苦しさと、現代でも変わらない、これも息苦しい人間関係が交錯する良質の歴史小説です。鷗外的歴史小説と言っていいでしょうね。
鶴山さんもマルチジャンル作家ですが、この方は徹底した原理主義的思考者だという特徴があります。文学金魚に発表されている作品を読んでもそれはおわかりになると思います。鶴山さんの本業の詩に関しても、彼が始めた〝詩は本質的に自由詩である〟という定義はじょじょに詩人たちの間に定着し始めています。ただそれは日本語ではよくあるように、〝早い〟を〝スピード〟と言い換えると何かが変わったような気がするといふアトモスフィア定義ではありません。
詳しくは文学金魚掲載の鶴山さんの詩論などを読んでいただければと思いますが、彼の場合、考え抜いて定義を導き出すと、それがほぼ完全な基盤的認識になる。詩に関して言えば、〝自由詩〟と〝現代詩〟の間で、抽象認識としても、めんどくさい現実利害関係としてもブレたりしなくなる。ここのところ、あんまり突っ込むとマズイのでやめますが、詩壇で『戦後詩』は滅んだという大合唱が起こるのに『現代詩』がアンタッチャブルなのは、別に崇高な理念の問題ぢゃないですよね。
なお文学金魚発表の作品以外にも、鶴山さんの仕事は着々と進んでいます。かなりの量があり、ブラッシュアップに時間がかかるので、公表までにはもそっと時間がかかりそうです。石川が進行を管理していますので、あまり時間を置かずに一部を連載開始したいと思います。
■ 鶴山裕司 連載歴史小説『好色』(『好色』(第11回 最終回)) pdf版 ■
■ 鶴山裕司 連載歴史小説『好色』(『好色』(第11回 最終回)) テキスト版 ■
■ 第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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