大野ロベルトさんの新連載映画評論『七色幻燈』『第02回 黄はキケンのキ』をアップしましたぁ。クエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル Vol. 1』を取り上げておられます。大野さんはタランティーノ監督について、『高校を中退後、テレビ関係の仕事などをしながら五年間ビデオ店に勤めていた生粋の映画マニアであるこの監督の作品には他作品からの引用やオマージュが数え切れないほど散りばめられており、大方の観客がそれを追いきれていないことも事実である』と書いておられます。同じやうなことを、石川などの世代はジャームッシュが登場してきた時に感じたのですが、やっぱ10歳の年齢差なのかなぁ、若いタランティーノの方がポスト・モダン度が高いやうです。まあ相変わらずハリウッドの壁は厚いやうですが。
イタリアの文芸ジャンルに「ジャッロ」と呼ばれるものがある。これはミステリーやホラー、犯罪小説に広く応用可能な区分けで、1929年に創刊されたその代表的な雑誌「ジャッロ・モンダドリ」の黄色い表紙から広まった。「ジャッロ」が「黄色」を意味することは言うまでもない。(中略)そしてイギリスにはさらに古く、1894年に「イエロー・ブック」が生まれているが、美学と退廃に彩られたこの文芸誌の、オーブリー・ビアズリーによって意匠をほどこされた毎号の表紙も、やはり黄色なのである。
(大野ロベルト『黄はキケンのキ』)
欧米では黄色は悪と退廃と、それゆえ日常を逸脱する狂気や聖なる色ともなっているやうです。こういった共同幻想は面白いですね。日本の幽霊に足があって欧米にはないとか、日本では血液占いが盛んで欧米では星占いが絶対的とか、いろんな共同幻想があります。でも多くの人が信じていれば、そこに必ず意味が生じてきます。人間が作り出す作品って、多かれ少なかれ、ほぼ必ずそういった共同幻想をうまく活用しているものでありますぅ。
■ 大野ロベルト 新連載映画評論 『七色幻燈』『第02回 黄はキケンのキ』 ■
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