山際恭子さんのTVバラエティ批評『No.056 孤独のグルメ Season6』をアップしましたぁ。深夜枠ですがテレビ東京さんのご長寿番組です。主演は松重豊さんで、ご存じのようにオヤジが一人もくもくとご飯を食べる番組です。松重さんは注文の時以外は声を発せず、あとはすべてナレーションです。台本が頭に入っているから当たり前ですが、見事なシンクロです。

 

 すなわち主人公を「孤独」たらしめているのは、連れがいないということではない。そこが初めての店、それも行き当たりばったりに選んだところだ、ということだ。オジサンたちが自省すべきは、だからこの一点にかかる。オジサンもまた、オバサンや高校生の群れと同様、孤独に耐え得るとはかぎらない。酒はしばしば仲間を求め、弛緩した精神は常連となりたがる。だが新たな経験と向上をもたらすのは「孤独」だけだ。

山際恭子

 

確かにどこの店でも常連、つまり特別扱いされたがる人っていますね。中には特別扱いしてもらうことが目的の人もいます。そういう人はグルメぶっていても、料理や酒の味がわかっていなかったりする。

 

山際さんが書いておられるように、『孤独のグルメ』の面白さは勘だけで店を選び、フリの客の一人として料理の味だけを楽しむ人が描かれていることです。初めての店に入るのはそれなりに緊張します。五感が研ぎ澄まされている。主人公の五郎は食べ終わった後、『いい店だ。また来よう』と言ったりしますが、同じ店には行かない。テレビのお約束というだけではないです。また訪ねたとしても、初回と同様に料理の味を楽しみ吟味するわけです。

 

さすがに小説界ではめったにないですが、詩のようにぬるい世界では、『しばしば仲間を求め、弛緩した精神は常連となりたがる』文学者モドキがたくさんいます。会社のようにある雑誌や業界内で派閥を作り、数の力を頼んで名士になりたがる。当たり前ですがそういう人たちは信用できない。会社や雑誌や業界が消滅するまで、しがみついて寄生しているだけの人たちです。『新たな経験と向上をもたらすのは「孤独」だけ』なのは文学者も同じです。

 

 

山際恭子 TVバラエティ批評『No.056 孤独のグルメ Season6』 ■

 

 

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