純文学エンターテイメント作家、遠藤徹さんの連載小説『ゆめのかよひじ』(第16回)をアップしましたぁ。『かごのとりこ、とりこのかご(前編)』です。大団円が近づいてきましたが、『ゆめのかよひじ』はゆっくりとした心値良よい平仮名のリズムで進むのです。

 

 と、こえをあげました。セニョリータっていったって、おばさんだよとあたしはおもいました。だって、きょうはきふじんモードだったからです。でも、ふりかえってみてびっくり。そこには、わかいむすめモードのいつわりのまじょがいたからです。かわりみのじゅつです。さすがだといわざるをえませんでした。

 「おやまあ、おうじさま。おげんきでしたか」

 いいえ、あなたにあえないあいだ、わたしはうつろで、くうきょで、からっぽで、しんだもどうぜんでした。でも、こうして、またおあいできて、てんにものぼるこころもちです」

 おうじさまは、とりかごからてをさしのべました。まじょは、そのてをはっしとにぎって、おうじさまのめをみつめました。

(遠藤徹『ゆめのかよひじ』)

 

少し乱暴なことを言えば、こういった寄り道のような記述が小説の醍醐味です。ただ単に引き延ばしているのか、それが網目模様になって全体としてつながっているのかによって、作家の力が決まります。当然後者の方が優れている。もちろん遠藤さんは後者の作家です。

 

文学金魚では遠藤さんと三浦俊彦さんという、東大卒のお二人に連載していただいているわけですが、このお二人、文学の世界全体を見回しても、そーとーに奇妙なツートップです。特に遠藤さんは、もしかすると三浦センセよりも奇妙な作家かもしれないと石川はにらんでいます。でもそれがいまいち広く認知されてないやうな。周知徹底させたいですぅ(爆)。

 

 

遠藤徹 連載小説 『ゆめのかよひじ』(第16回) 縦書版 ■

 

遠藤徹 連載小説 『ゆめのかよひじ』(第16回) 横書版 ■

 

 

第05金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

第0回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。

 

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