高嶋秋穂さんの詩誌時評『歌誌』『No.035 角川短歌 2016年12月号』をアップしましたぁ。第62回角川短歌賞を受賞された佐佐木定綱さんと竹中優子さんが受賞第一作30首を書いておられます

 

君のいぬ部屋には音が足りなくていつもより多く蛇口をひねる

ふたとおりの人間のいる室内はふたとおりの音まとめてひとつ

すれ違う通行人のような日々消えてゆくから君を愛する

ただ平ではなく高さ奥行きがあるアスファルトと知る寝れば

伸びきったまま戻らない電灯のひも思い切り引きちぎる夜

(佐佐木定綱「引きちぎる夜」)

 

高嶋さんは『定綱短歌の骨格は古典的です。(中略)ただ(中略)定綱短歌は現実から微妙な形で抽象に抜けてゆく。(中略)この現実から抽象への抜け方が定綱短歌の最も貴重な点であり期待できるポイントではないかと思います』と批評しておられます。高嶋さんの定綱短歌の評価は高いですね。石川もいい歌人だと思います。

 

詩の世界に限りませんが、こうやって文学の世界は変わってゆくのですな。必ず新しい才能は出現するのであり、その新しさは今現在新鋭や中堅と呼ばれる作家たちにとって都合のいいものではない。むしろあまり歓迎できない場合が多いです。逆に言えば、同じような作風の作家を持ち上げてばかりいると文学の世界は堕落する。

 

いつだってどんな場合だって作家は常に正念場に立っています。同業者の作家はもちろん読者を納得させられるような作品をまとめられなければ、じょじょに作家の影響力は落ち忘れ去られてゆく。本質的には若い人もベテランも同じです。〝アガリ〟の状態なんて絶対ないのです。

 

 

高嶋秋穂 詩誌時評『歌誌』『No.035 角川短歌 2016年12月号』 ■

 

 

第05金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

第0回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。

 

■ 予測できない天災に備えておきませうね ■