鶴山裕司さんの文芸評論『No.003 短歌の根はどこにあるのか-福島泰樹短歌絶叫(下)』をアップしましたぁ。福島泰樹インタビュー『定型の中で自由であり続けること-短歌絶叫と挽歌』のインタビュアー鶴山さんの、福島文学についてのレジュメ的評論完結篇です。短歌は日本文学の基層的表現であり、政治から社会風俗まで詠うことができます。しかし今も昔も抒情が短歌を支える大きな柱です。それをわざわざ手放すことはないですよね。

 

 生きている限り人間は、滑稽で残酷であり、孤独だが生の源泉ともなり得る甘美な抒情から逃れられない。絶望の淵でふと湧き出る甘美な抒情が生の証であり、糧なのだ。この抒情が幾たびもの大きな社会変化にも関わらず、千五百年もの長きに渡って短歌を生き延びさせてきた。それは短歌だけでなく、妄執にまみれた幽鬼が登場するお能にも見られる。「星抱き眠らんものをなにもなしカスタネットと月光のほか」は、より良き社会、より良き精神を希求しながら、現実世界で人間が受け取れるのは至高の何事かが発する微かな光だけだという福島の思想を表している。人間は手にした小さなカスタネットで自らを鼓舞してゆくほかないのである。

(鶴山裕司『短歌の根はどこにあるのか-福島泰樹短歌絶叫』)

 

鶴山さんは抒情について的確に批評しておられます。また死者の不変・普遍化した純な抒情を詠う福島さんについて『「短歌絶叫」はその言葉から想像されるような絶叫パフォーマンスではない。福島はその独特の低い声で、死者たちの錯綜する妄念を露わにするように散文の地の文を朗読してゆく。最後に朗読される短歌は死者たちの妄念を浄化(ピューリファイ)する一筋の光のようなものだ。それは古来からある詞書と和歌の構成にぴたりと一致している』と書いておられます。じっくりお楽しみください。

 

 

鶴山裕司 文芸評論『No.003 短歌の根はどこにあるのか-福島泰樹短歌絶叫(下)』 ■

 

 

第04金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

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