お待ちかね、小説ジャンル越境作家、仙田学さんの新連載小説『ツルツルちゃん 2』(第12回)をアップしましたぁ。『第五章 網走まで、背の順で?(上)』篇です。未来ちゃんが赤点とって危機一髪の巻です。んでもそれにはふかーい訳があります。

 

ほぼすべての解答欄には丸がついている。大きくばってん印がついているのは一箇所だけ。

他ならぬ、名前を書く欄だ。その欄の下にはでかでかと、-85と書かれている。

……名前を書き忘れて85点減点されたらしい。

全身から力が抜け、おれも未来も隣にしゃがみこんだ。

「いーちゃん、15点のテスト、先生とこに持ってこうょ★」

兎実さんのよく通る声が廊下に響き渡る。

向こう三軒両隣のクラスから数十人が顔をだし、未来を指さしてざわめきはじめた。

15点の答案を両手で捧げ持ち、兎実さんはのんびりと職員室へ向かっていく。

適宜立ちどまり、蛸錦の一眼レフへピースサインやアヒル口をしてみせることも忘れずに。

一瞬で、先斗町未来が15点をとったという噂は学年中に広まった。

恥ずかしすぎる!!

(仙田学『ツルツルちゃん 2』)

 

ん~未来ちゃんの赤点事件、ちょいと『ツルツルちゃん 2』を象徴しているやうなところがありますね。魅力的な登場人物がたくさん出てくるのですが、みんなどっかがスコーンと抜けている。そういう人たちの集団が、学校といふ共同体によって、一つの調和を形作っているやうなところがあります。

 

あ、石川はテストの成績はもう覚えていませんが、通信簿によく「2」があったのは記憶しております。5点満点中の2は赤点レベルです。じーっと通信簿を見つめて、『アヒルが3っつ。わはは』と笑って、通信簿を閉じたのでしたぁ。

 

 

仙田学 連載小説 『ツルツルちゃん 2』(第12回) pdf版 ■

 

仙田学 連載小説 『ツルツルちゃん 2』(第12回) テキスト版 ■

 

 

第04金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

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