佐藤知恵子さんの文芸誌時評『No.025 オール讀物 2015年11月号』をアップしましたぁ。第95回オール讀物新人賞を受賞された松田幸緒さんの『中庭に面した席』と、平岡陽明さんの『僕だけのエンタティナー』を取り上げておられます。んでオールさんは『デビュー&成功への道 小説家になりたい』を組んでおられます。こういった特集、最近文芸誌では多いです。文学業界は優秀な人材のリクルートが必要になっているといふことかなぁ。

 

 それにしてもオールの審査員の先生方は、地味といえば地味なお作品をお選びになったわねぇ。アテクシには「中庭に面した席」は大受けでしたが、このお作品を面白いと感じる男性読者は少ないでしょうね。またこのお作品は時子が美容室に行くだけのお話しで、その他にプロットらしいプロットがございません。作者の松田幸緒様とお作品の間に、どのくらい距離があるのかも気になるところです。距離がなければこのお作品は私小説の一種ね。距離がある――つまりフィクションとして時子のような女性の心理をいくらでも作りあげられるなら、プロットを立てて、お作品をはっきりとした希望か絶望の方に導いてやる必要があると思います。

(佐藤知恵子)

 

佐藤さんの松田幸緒さんの『中庭に面した席』の批評です。石川も読みましたが、オールさんにしてはちょっと毛色の違う作品をお選びになったなぁと思いました。私小説ぽいんだな。佐藤さんが取り上げておられる『僕だけのエンタティナー』の作者、平岡陽明さんも確かオール新人賞を受賞されていると思います。こちゃらはオーソドックスな物語作家です。大衆作家としてやってゆくには圧倒的な筆力が必要ですが、それがこれから問われることになります。

 

最近では作家デビューと成功が即座に結びつくことが少なくなってきました。でもこれはちょっと面白い状況かもしれない。乱暴に言えば〝デビュー〟と〝成功〟を別に捉えてもいい。成功って要するに本の売り上げのことです。どんなメディアからデビューしても成功が保証されないなら、成功を優先させてもいいわけです(爆)。

 

商業的に成功すれば自動的に作家デビューしたことになります。デビューしても本が売れないなら、○○新人賞作家といったプライドが残るだけでいずれ読者から忘れられてゆく。単純な発想の転換ですが、デビューして編集者に育ててもらうなどと甘いことを考える前に、自分で何が売れるのか、どんな作品が読者を惹きつけるのかを真剣に考える努力の方が遙かに大切です。

 

 

佐藤知恵子 文芸誌時評 『No.025 オール讀物 2015年11月号』 ■

 

 

第04金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。

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