鶴山裕司さんの連載エセー『続続・言葉と骨董』『第049回 インドネシアのワヤン(後半)』をアップしましたぁ。ワヤン劇が物語の下敷きにしているのは、古代インドの二大叙事詩である『ラーマーヤナ』と『マハーバーラタ』です。なぜそうなったのかというと、インドネシアエリアに最初に流入したのがヒンドゥ教と仏教だったからです。現在、インドネシアは世界最大のムスリム人口を抱える国家ですが、イスラームが流入したのは十五世紀も末になってからです。ただイスラーム化後もヒンドゥ教・仏教の影響が残りました。

 

島国では古い文化・文物が残りやすい。インドネシアもそうなのですが、その文化的特徴を鶴山さんは、『日本のような孤立した島国では、常に外来文化が流入し続けているわけではない。それには濃淡があり、外来文化流入の衝撃がおさまると、それまでの国風文化に習合され次第に洗練されてゆく。しかしインドネシア一帯は大陸に近い。ヒンドゥー・仏教・イスラームといった宗教だけでなく、中国文化なども常に流入し続けている。ただ地続きではなく群島であるため、外来文化の影響は斑模様のように島ごとに、あるいは特定の宗教・民族・言語の中に残ってしまう。その錯綜し、だがどこかで地下深く繋がっているような重層性がインドネシア独自の文化を形成している』と書いておられます。

 

でもその根っこを把握するのは難しいんだなぁ。『インドネシアの古い芸能の一部は、間違いなく極東日本にまで伝わっているだろう。(中略)『古事記』には保食神(うけもち)の亡骸の頭から牛馬、額から粟、眉から蚕、目から稗、腹から稲、陰部から麦と大豆と小豆が生まれたという記述がある。同じような神話の祖型が、早くから稲作が発達したジャワ島で複数確認されている。(中略)ただ限られた文書や遺跡から、有史以来のアニミズムの上にヒンディー・仏教・イスラーム文化が重層化したインドネシア文化のオリジンを探るのはとても難しい。果実のように種はあるのだが、果肉の味は時代状況の変化に応じて無限に異なる。直観をもって核を把握し、推論を重ねてゆくしかないだろう』と鶴山さんは書いておられます。

 

国文学者で民俗学者である折口信夫の思考は、その多くが直観で支えられていました。直観やヴィジョンは作家にとってとても大事です。ある直観(ヴィジョン)に沿って思考が練り上げられてゆくからです。この直観(ヴィジョン)が間違っていると、どんなに努力しても成果が得られないこともあり得ます。骨董エッセイ一つ取り上げても、作家のビジョンの有無は自ずから文章に表れるものです。

 

 

鶴山裕司 連載エセー『続続・言葉と骨董』『第049インドネシアのワヤン(後半)』 ■

 

Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー開催(新人支援プロジェクト)

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Web文芸誌のパイオニア 総合文学ウェブ情報誌文学金魚は、文学金魚執筆者によるシンポジウムと参加者の自由な質疑応答による参加型セミナーを開催します!。

テーマは〝ジャンルの越境〟です。そしてジャンルの越境は、人の現存在では性の越境にも置き換わる。文学金魚大学校第1回セミナーでは、早稲田文学の表紙を飾った伝説の仙田学さんの美しい女装姿が見られます!  あらゆる制度の脱構築を意識することで、ジャンルの越境は初めて可能になるのです。我こそはという皆さまも、ぜひ女装・男装・コスプレのドレスアップでご来場ください。 超ステキな開催会場、日仏芸術文化協会もそれって大歓迎!とのこと!

 

■ 日時と会場 ■

日時:2016年06月18日(土曜日)

開始時間:午後03時30分~

会場:日仏芸術文化協会 (東京都目黒区中根2-19-2 東急東横線・都立大学駅より徒歩約10分)

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* 閑静な住宅街の中に位置する素敵な一軒家です。

参加費3,500円

* 参加者の皆さんには金魚屋刊行書籍一冊(定価1,500円)をプレゼントします。

懇親会費(オプション)2,000円

* セミナー修了後に懇親会を開催します。参加はご自由です。

 

テーマ ■

【テーマ】ジャンルの越境

純文学ラノベ、ロマンチック・ミステリ、純文学ホラー、自由な物語詩など、従来の文学ジャンルとは異なるオルタナティヴな文学を創り出すことを目指します。

【司会】

山田隆道(作家・TVコメンテーター)・小原眞紀子(詩人・東海大学文学部文芸創作学科非常勤講師)

 

プログラム(予定)■

シンポジウム

第一部 偏態小説と純文学エンタメ小説について

三浦俊彦(作家・東京大学大学院教授)

遠藤徹(作家・同志社大学教授)

第二部 ラノベと(純)文学について

仙田学(作家)

西紀貫之(作家・フリーライター)

リード小説大賞決定!

山田隆道(作家・TVコメンテーター)発案のリード小説(詳細は下記または『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)の大賞を決定し、大賞・奨励作については文学金魚への作品掲載を検討(バックアップ)します。

第3回金魚屋新人賞第一次審査通過作紹介

懇親会

いけのり(占い師・エッセイスト)の占いコーナーなど。

 

 

Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー(新人支援プロジェクト)の趣旨

・才能ある若い作家の作品が発表できない、キャリアのある作家なのに一番出したい本にかぎって出ない、学者の卵の奨学金ですら返還義務があるなど、現在ではさまざまなジャンルが細分化され、文化間の交流がなくなっています。

・こんな時代だからこそ、文学金魚は創作者と読者、ジャンルとジャンルを繋ぐメディアとして誕生しました。

・セミナー参加者は新しい文学と出版カルチャー誕生の当事者・目撃者になれるかも!

・読むことと書くことの、あのワクワク感をみんなで取り戻そう!

 

【リード小説とは ~あなたの〝リード小説〟大募集!~】

・リード小説とは、あなたがすでに書いた、あるいはこれから書こうとしている未発表オリジナル小説の大筋やセールスポイント等をまとめた、映画でいえば、予告編です。

・文学金魚大学校第01回セミナーのお題として、書き下ろしリード小説をツイッター上で大募集します。完成原稿があるかどうかは問いません。

・選考は山田隆道(『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)が行います。講師の文学金魚連載作家陣も選考に加わります。リード小説から作家デビューの扉が開かれるかも。

・試されているのは自己プロデュース能力です。気楽に楽しんでください!

 

【総合文学ウェブ情報誌文学金魚について】

・文学金魚はジャンルの垣根を取り払い、文化融合的な状況の中から新たな日本文化を創・出することを目指します。

・セミナー参加者は楽しいお題で盛り上がるもよし、懇親会で人脈を広げるもよし。新たな文学シーン誕生のワクワクする瞬間、その当事者・目撃者になれるかもしれません。

・今は積極的に自己アピールし、様々な方法で作家としての活路を切り開いてゆける時代です。ネットと紙出版のインタラクティブな関係性にリアルな人間の息吹きを吹き込んで、文学カルチャーのホットスポットを創り出そう!

 

 

■ 予測できない天災に備えておきませうね ■