日本が誇る世界的特殊作家、三浦俊彦さんの連載小説『偏態パズル』(第72回)をアップしましたぁ。偏態危機一髪の巻!!、第2弾であります。それにしてもなんですな、小説フィクションとはいえ、読者はやっぱり主人公に肩入れしてしまふものですなぁ。窮地に陥った主人公を石川はハラハラしながら見守っているのでした。

 

 わかるよ。

 逮捕してください、と。連行してください、と。どうぞ尋問を、と。

 観念とか諦め、ではないよな。

 自罰感情、でもないよな。

 聖域に踏み入っておいて、目撃されておいて、何事もなかったかのようにというのは、いやもちろん、この市民センター分館付近を今後避けて生活すれば後腐れもないだろうが、やはり君としては、

 (美意識が許さない……)

 とでもいった感じかな。

 美意識。合ってる?

 とりあえず連行されたかったよね、もちろん。

 

こういった記述に、三浦センセのおろち学の本質がよく表現されているなぁ。覗きは当然、露見を含まなければならなひわけで、露見はその目的を第三者に伝達するといふことを含みます。その表裏を含めて、三浦センセの小説と学問には〝美意識〟があるんだなぁ。もちろん美は単に美しいものであってはならないわけです。香水が糞尿の匂いを含んでいるように、醜があって初めて美として成立するのでありまふ。

 

 

三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第72回) pdf版 ■

 

三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第72回) テキスト版 ■