心がポキッとね

フジテレビ

水曜 22:00~(放送終了)

 

No.090_TVドラマ批評_01

 

 

 チームというのは、なかなか難しくも不思議なものだ。鉄壁のドリームチームと思われたものが上手く動作しない、ということがままある。かと思うと、これといった目玉もスターもなく、実に見事に構造化されることがある。つまりは一人ずつの評価と、チームの構造体に対する評価とは別物だ、ということだ。

 

 それでいて優れたチームの評価は、個々の評価を上げる。個々の魅力に気づかせるような構造を持っている、ということだろう。それは恐らく偶然のようでいて、偶然ではないのではないか。チームを組織した者に漠然とではあれ、個々の魅力や可能性への認識があるように思う。

 

 それならばドリームチームが上手く動作しないときというのは、逆のことが起こっていることになるだろうか。一人一人の魅力に自覚的で、それに目覚めている者が組織するチームで、個々のマイナス面が出てしまう。その蓋然性に無自覚であった、と言ってしまうのは結果論に過ぎないかもしれない。しかしまだ見えぬ先を見通し、姿をイメージできるのがプロというものだ。

 

 個々の魅力に引っ張られる、というのはよくも悪くもファンに近い。熱意も愛情もあり、だから上手くいくとはかぎらないというのは皮肉だが、既成の過去のイメージを愛すれば愛するほど、新たな制作物は縛られるものができる。新たな制作物の持つ躍動感の前に過去を犠牲にできる冷たさが、結局はキャストやスタッフを生き生きとさせることになる。

 

 豪華なキャスティングで、豪華なスタッフであったこのドラマの数字については、裏の堺雅人にやられたに過ぎない、ということだったかもしれない。それは別として、阿部サダヲと山口智子という実力派の、だからこそあるイメージがある俳優の魅力を十分に引き出していたとは残念ながら言いがたい。

 

 十分に、ということはそこに新たなものを付加する勢いがないと難しいのだから、実力派であればあるほど、実はハードルが上がることになる。人気の実力派を使うんだから、数字が取れて当たり前、という空気もまたプラスには働かないだろう。側で見る以上に、制作に掛かるものは重いに違いあるまい。

 

 どこか心を病んだ男女四人の入り組んだ関係性、恋物語である。それ自体、魅力的なテーマなのだが、心を病むというテーマを見たいと思ったとき、それが四人の関わり合いとなると、普通の男女と変わらないように見えてしまう。病いが四つになると、なぜか治癒してしまうのだ。それはまた、テレビ的な向日性や社会性にやすやすとフィットする。

 

 なんとなくギクシャクしているドラマには、いわゆる演説で最後を飾るものが多い気がする。打ち切りでまとめる時間がない、という場合もあるだろうが、最初からまとまりがつかないものを主人公などの熱い想いでメッセージに仕立てる、という苦肉の策だろう。最終回のそんな演説もしかし、阿部サダヲは上手かった。少なくとも、どうにか観てはいられた。確かに実力を確認した瞬間だった。

山際恭子

 

 

 

 

 

 

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