田山了一さんのTVバラエティ評論 『 No.030 トンイ』 をアップしましたぁ。大ヒットした 『宮廷女官チャングムの誓い』 や 『イ・サン』 を手掛けたイ・ビョンフン監督作品です。世の東西を問わず、歴史大河ドラマはお金がかかっているので石川は大好きです (爆)。衣裳やセットはもちろん、業界用語で 〝消え物〟 と呼ばれる食べ物まで、マジメな歴史ドラマではちゃんと考証がなされています。『チャングムの誓い』 なんか典型的だったなぁ。こういう食器でこういう料理を食べてたのかぁとテレビを見ながら感心したのでありました。
田山さんは 『母性崇拝の強さは韓国にかなわない。それが太古からの歴史の中にがっちり組み込まれて、何はなくても政治を押し進める原動力となっている、と解釈されているように見える。日本の歴史にとっての女性性は、原理や原動力というより、むしろ日本文化がそれへと向かう、美的な目的といったものだろう』 と書いておられますが、そうかもしれないなぁ。20 世紀の半ばを過ぎるまでどの文明も男性中心社会でした。今でもそうだよとおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが、19 世紀に比べれば改善されているでしょうね。でも人間の半分は女性なわけで、政治経済を含めた社会に影響を与えないはずがない。日本も韓国も儒教を思想的指針としましたが、女性性の捉え方には違いがあるようです。
古井由吉さんだっけな、男は女の言葉にチョ~弱いとどこかで書いておられました。第二次世界大戦中の話だったと思いますが、開戦当初はニコニコして男の話を聞いていた奥様たちが、戦況が悪くなると 〝あんた、どーすんのよ!〟 と言い始める。そんな時、男は杓子定規な返事しかできないわけですが、奥様たちは 〝そんなの関係ねぇ〟 とさらに攻めてくるわけです。こういう経験って男の子なら心当たりがありますよね (笑)。世の中を変えていく本質的な力になるのは、こういった女性たちの声かもしれません。
■ 田山了一 TVバラエティ評論 『 No.030 トンイ』 ■