大篠夏彦さんの文芸誌時評 『No.007 文學界 2012年07月号』 をアップしましたぁ。そんで大篠さん、石川の 〝泣き〟 が一番入りやすい著者さんです。先日大篠さんとお話しましたので、そのあたりさわりのないダイジェストを不肖・石川の編集でお届けですぅ。
大 純文学系の文芸誌時評って読まれてるんですか?
石 そこそこですね。インタビュー、小説、映画、美術、演劇とかヴィジュアル系のアクセス率は高いです。文字だけのコンテンツはちょっと弱いかな。
大 文芸誌自体の読者が少ないからね。僕が大学で学生を指導するとしても、名作の文庫本を買えって言うよ。新人賞に本気で応募したいって人には、最低でも雑誌のバックナンバー 1 年分は熟読して、最低 5 年分の新人賞受賞作は読めって勧めるだろうけど。
石 さきほどの 〝制度化〟 の問題ですか。
大 基本、本を読む人には 〝学びたい〟 って気持ちがあると思うんだ。その気持ちが強い人は、本だけじゃなく雑誌も読むようになるのが今までの流れだよね。でも今の時代、作家が何を伝達・表現すればいいのかわからなくなっている。共通のパラダイムが霧散してるんだ。作家は自己中心的になりつつあるけど仕方ないと思う。雑誌の目次に並ぶ著者たちにはほぼ共通点がない。雑誌の編集方針が目立ってしまうのはそのためだね。
石 俳句や短歌では、まだかろうじて勉強という面が残ってますね。
大 娯楽要素のある大衆小説誌も別だね。でも流行作家はどのメディアにも書けるけど、純文学系雑誌にはその雑誌専属に近い著者の方たちがいますよね。雑誌がミニコミ・同人誌化してるわけだけど、優れたリトルメディアのような発信力はないな。
石 とはいえ 『文學界』 さんの時評はお手柔らかに~。
大 もう少し続けますよ。現実制度面でも思想面でも、文学の既存のパラダイムを変えないことにはどうにもならないってことを実証的に書いておきたいです。そんなことできるわけないって考える人がほとんどだろうけど、10 人のうち 1 人でもそうかもしれないって思っていただければそれでいいです。
石 あ~谷輪さんに、今度は大篠さんに穴子丼をおごってくださるよう、お願いしておきますぅ。
谷輪さんや大篠さんとお話しすると汗が出ますね (笑)。不肖・石川は、どのメディアさんとも、どの著者さんとも仲良くやって行きたいですぅ。
■ 大篠夏彦 文芸誌時評 『No.007 文學界 2012年07月号』 ■