岡野隆さんの詩誌時評 『No.004 月刊俳句界 2012年04月号』 をアップしましたぁ。『俳句界』 さんの特集は、『今、ブームの密教を詠む』 であります。密教といってすぐに思い浮かぶのが弘法大師の高野山でありまして、『俳句界』 さんには冬の高野山の写真なども紹介されているようです。高野山に行かれた方はおわかりだと思いますが、今でも敬虔な修行者と信徒を惹き付けている生きた宗教道場です。
岡野さんは、俳句は禅的文学であり、短歌は密教的文学であるという考え方を示しておられます。詳しくはコンテンツを読んでいただければと思いますが、歴史的に見ればあり得ることですね。問題は短歌から俳句が派生したことをどうとらえるのか、あるいは現代短歌が岡野さんがおっしゃるような密教的精神風土を保持しているのかというところにあります。
不肖・石川の素人目から見ても、現代俳句は芭蕉が確立した俳句原理を保持していると思います。しかし短歌はどうかなぁ。僕たちが短歌といってまず思い浮かべるのは百人一首の平安短歌の世界ですが、現代短歌はもしかするとそれを引き継いでいないかもしれない。そのあたり、もっと掘り下げたいですね。短歌批評は遅れていますが、今、著者の方と交渉中ですので、近いうちに角川『短歌』さんの時評を始められると思います。
■ 岡野隆 詩誌時評 『No.004 月刊俳句界 2012年04月号』 ■