寅間心閑連載小説『オトコは遅々として』(第08回)をアップしましたぁ。妊娠・出産小説は女性作家の独断場といったところがありますが、寅間さんの『オトコは遅々として』は男の方、父親になる方の視点の小説です。子育てで男が主人公になる小説はけっこうありますが、出産前の男が主人公の小説は案外少ないです。
それはそのはずで、女性は生む方ですからそれに関するネタは山ほどあります。出産を、その後の子育ての苦労とは別に、一つの小説的結論と設定することもたやすい。そういった小説はすぐに思い浮かべることができます。女性にとっては精神的にも肉体的にも大変なことですから当然ですね。そこに男を絡めるとさらに小説世界は膨らみます。
いっぽうで男性の方はオロオロするばかりで疎外されているのが普通です。もち出産前から良きパパも現実にはいらっしゃるでしょうが、それではあまり小説的面白味は生じない。疎外感と迷いが主題にならざるを得ないわけですが、それを切迫感あるものとして描く必要が出てくる。『オトコは遅々として』の主人公はまだ迷っているようです。さて、この小説、どこに行き着くのでしょうか。楽しみですぅ。
■ 寅間心閑新連載小説『オトコは遅々として』(第08回)縦書版 ■
■ 寅間心閑新連載小説『オトコは遅々として』(第08回)横書版 ■
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