佐藤知恵子さんの文芸誌時評『大衆文芸誌』『小説現代 2021年04月号、05・06月合併号』をアップしましたぁ。小説現代さんも、オール讀物さんに横並びで合併号です。年12冊から10冊刊行に減ったということですね。んー、厳しい。
中堅・ベテラン作家はもちろん、新人にとっても雑誌の刊行冊数が減るのは、それだけさらに活躍の場が奪われることを意味します。小説業界、首を突っ込んでみればわかりますが、掲載待ちの作家が列をなしているような状態です。連載中の作家は別ですが、原稿を書いてすぐ雑誌に載るのはよほどの売れっ子作家だけです。数ヶ月、時には半年一年待たされることもある。これは作家の創作意欲を殺ぎますね。
詩人さんたちに比べて小説家は筆力があると石川は思いますが、それでもほっておいても作品を書いている、書きたい、書ける作家はそれほどいません。またなんらかの形で作品を世に出さないと、作家という生き物は区切りが付かない動物です。反応が良ければ良いで、悪ければ悪いで次のステップに進めるわけです。
大衆小説誌ですら刊行号数を減らす状況だということを、噛み締めなければなりませんねぇ。また紙の雑誌だからこういうことが起こるとも言えます。小説雑誌はなんのためにあるのかと言えば、作家の執筆ペースメーカーのため、というのが最大の役割でしょうね。それを考えるなら、そろそろ紙以外の別の方法を並列させた方がいい時期かもしれません。
■ 佐藤知恵子『大衆文芸誌』『白石一文「我が産声を聞きに」』(小説現代 2021年04月号) ■
■ 佐藤知恵子『大衆文芸誌』『有川ひろ「シュレーディンガーの猫」』(小説現代 2021年05・06月合併号) ■
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