寅間心閑の肴的音楽評『No.048 ダラッとする日』&大畑ゆかり原案 寅間心閑著 新連載小説『もうすぐ幕が開く』(第08回)をアップしましたぁ。『もうすぐ幕が開く』は大畑さんの劇団四季時代の体験を寅間さんがノベライズした作品で、事実そのままではありません。主眼は主人公のおちびちゃんと劇団四季の青春時代にあるわけで、今回で言えばコトが起こった時の、四季主宰の浅利慶太さんの対応がいかにも演劇界です。
「おい、それは大変じゃないか!」
顔を上げると先生は立ち上がっていた。その場で電話をかけ、所長と第一秘書を呼び出した。急な展開におチビちゃんはパニックだ。余計なことを言ったんじゃないか、アヤメさんはクビになるんじゃないか、いや他人の心配よりまずは我が身、私は大丈夫なんだろうか――!
けれど時間が経つにつれ、何となく状況が把握できてきた。この立ち上がり、歩き回り、前髪を揺らす先生の姿は見たことがある。そう、ダメ取りの時だ。舞台の演出をしていて気持ちが乗って来た時の感じに似ている。椅子から離れ、舞台に上がり、自らが肉体を使って手本を示す時のあの感じ。そう思えば、目の前で落ち着きなく歩いている先生の横顔は、どことなく楽しそうにも見える。「女性が女性を誘う? 興味深いねえ」。そんな弾んだ声が聞こえてきそうだ。
(大畑ゆかり原案 寅間心閑著 連載小説『もうすぐ幕が開く』)
演劇はいわば事件で構成されます。つまり事件が起こると演劇人は燃える。浅利先生、ノリノリで事件収拾に乗り出します。演劇人ですねぇ(笑)。細かな日常からネタを拾い、それを糧にしてゆくから優れた演劇人でいられたわけですね。
で、寅間さんは今回の『肴的音楽評』で、なんと浜口庫之助を取り上げておられます。「愛しちゃったのよ、ラララーラ」の曲で有名です。ホントに音楽の好みが広い。石川は、高校生くらいで音楽の趣味は止まってしまっているのでありますぅ。
■ 寅間心閑の肴的音楽評『No.048 ダラッとする日』 ■
■ 大畑ゆかり原案 寅間心閑著 連載小説『もうすぐ幕が開く』(第08回)縦書版 ■
■ 大畑ゆかり原案 寅間心閑著 連載小説『もうすぐ幕が開く』(第08回)横書版 ■
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