小原眞紀子さんの新連載小説『本格的な女たち』をアップしましたぁ。リードに『ごく普通の女たちが再会したとき、何かが起きる。同窓会のノスタルジーが浮彫りにするあやふやな過去の記憶、すり替えられたイメージ。そして今、この信じがたい現実に女たちは毅然と向き合う…』とあるように、同窓会から始まるサスペンス小説です。
同窓会って、楽しいちゃ楽しいんですが、面倒っていえば面倒ですよねぇ。特に何十年ぶりかの同窓会になると、ちょっと摩訶不思議な感じになります。学生時代の友だちって特別なんです。社会人になってから知り合った友だちなんかと違って、底の底までわかり合っているようなところがある。その人の今の社会的地位がどうであれ、アイツはこういうヤツで、その本質は変わってないとわかっている人たちが集まってくる。もちそれは自分に対しても向けられる視線です。でもその時々の社会的地位等々は無視できない。
するってーと、妙なことが気になったりするんですね。『久しぶり~元気だった~』とかで会話し始めて、楽しく話して家に帰ってくる。で、なんか引っかかることを言われたような気がする。それがけっこう気になるなんてこと、ありますよね。水面下で蠢いている気配が、やっぱり水面から顔を出してしまっていたんぢゃないかと思ったりするわけです。
『本格的な女たち』という小説は、そういう毒ともいえな毒のようなものが、旧友との再会で滲み出すところから始まります。小説ですからその毒とはいえないような何かは毒に変わっていかざるを得ないですよね。それが女たちの集団だとなお面白い。銀座から始まる物語であるというのも、今回の小説の基盤をそこはかとなく形作っています。
■ 小原眞紀子新連載小説『本格的な女たち』No.001(縦書版) ■
■ 小原眞紀子新連載小説『本格的な女たち』No.001(横書版) ■
■ 第6、7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 金魚屋の本 ■