純文学エンターテイメント作家、遠藤徹さんの連載小説『ゆめのかよひじ』(第13回)をアップしましたぁ。『ゆめくい』篇です。友達のかなちゃんが奇妙で怖い夢を見たと話しかけてきたので、主人公の女の子は夢の話をすることになります。
「ところがね、ふいにじしんがあったの」
「へえ、ゆめのなかでじしん?」
「そうなの、なにもかもがぐらぐらってゆれて、それから、ゆめのてっぺんがかじられちゃったのよ」
「かじられた?」
きみょうなひょうげんでした。どうして、ゆめがかじられたりするのでしょう。
「そうなの、パーティーかいじょうのてんじょうのいちぶが、ぱっくりきえたの。そこだけが、まっくらになった。むしゃらむしゃらって、なにかをたべるおとがしたわ。つづいてふたくちめ、てんじょうからゆかのいちぶにかけてがぱっくりたべられちゃった。
(遠藤徹『ゆめのかよひじ』)
子供は現実と異次元世界を混同しがちですが、それは現実世界の様々な要素に阻害されず、ある真理を見抜く能力でもあります。遠藤さんにとって想像界は無限の可能性を秘めたイメージ世界ですが、子供から大人に至るある無意識的夢や恐怖を導き出す力をお持ちです。
編集者だから当たり前ですが、石川は作家さんから原稿をいただいて読み、それをアップする前にまた読みます。それを繰り返してゆくと、作家さんの力量がなんとなくわかってくることがあります。
遠藤さんはとても奇妙な作家さんです(爆)。でも作家として力があり、ただちょっとそれを世の中にアピールする道筋ができていない。じょじょにそれを考えてゆこうと思います。
■ 遠藤徹 連載小説 『ゆめのかよひじ』(第13回) 縦書版 ■
■ 遠藤徹 連載小説 『ゆめのかよひじ』(第13回) 横書版 ■
■ 第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■