菜穂実さんのジェットコースター小説『ケータイ小説!』(第35回)をアップしましたぁ。今回はさと子ママとのタイマン勝負です。嵐の前の静けさだなぁ。なんかもう一波乱ありそうな気配です。だってさと子ママ、「神様っていうのは、心の中まで見通すものだから」なんて言い出すんですもの。神様を巡る問題って奥深いわぁ。つーかそれをダシにして、人間が複雑な関係を築きあげているわけですけんど。
それにしても『ケータイ小説!』、かなり人物関係が入り組んでます。不肖・石川がラノベを読んでいて物足りなく感じる点に、人物関係がもんのすごく単純な作品が多いってことがあります。それって小説文学を貧しくする大きな要因なのよねぇ。でも人物関係を複雑にすることは、それなりにテクニックがいることなのでありまふ。
小説家は表現したいテーマが見つかると、まず主人公と主要登場人物を考案し、その上で彼らが活動する場所、時間などの要素を付加してゆきます。最終的に決まるのが書き方でせうね。テーマに合わせて純文学的な書き方を選ぶこともできるし、ラノベの書き方になることもある。
しっかしまあ、テーマがぶれていると、まず主人公と主要登場人物の設定が曖昧になるのよねぇ。もち登場人物が多ければいいってわけぢゃないけど、テーマの希薄さがそのまま登場人物の少なさに直結してしまっていると、長い物語は書けません。つーか最後まで読み通せる作品にすらならないかも。菜穂実さんのテーマ設定、しっかりしていますぅ。