山際恭子さんのTVドラマ批評『No.066 ディア・シスター』をアップしましたぁ。石原さとみ、松下奈緒さんのダブル主演で、田辺誠一、堀内敬子、片平なぎささんらが出演しておられます。全10話で8話まで放送されておりますから、クライマックス間近です。ドラマは生ものですから、ドラマ批評は素早くアップしていかねばいかんですなぁ。
山際さんは、『テレビドラマで姉妹ものの傑作と言えば、大昔に「想い出にかわるまで」というのがあったはずだ。・・・妹が姉の男を奪うというのはお決まりのパターンだったが、・・・異様で目が離せなかったのは姉であり、彼女は男を奪われるといった外圧ではなく、常に自身の内面における微細なさざ波によって揺れ動いていた。・・・つまり姉妹ものの傑作といいながら、「想い出にかわるまで」はヒロインがひたすら内面に埋没していますという物語ではあった』と書いておられます。
『想い出にかわるまで』、ありましたね。内館牧子さん脚本のドラマでした。内容といふか見所は、山際さんが批評しておられるとおりであります。男兄弟モノのドラマの場合は、どちらかがどちらかの成長を促す、つまり男の子として越えなければならない社会的コードをクリアさせるといふ展開になる場合が多いですが、姉妹モノはどちゃらかといえば共犯的な内容になることが多いやうに思います。今年大ヒットした『アナ雪』も、文学金魚で北村匡平さんが論じられたやうに、王子様候補の男たちをスルーして姉妹愛を確認するといふストーリーでありました。
ふんぢゃあ『ディア・シスター』はどうかといふと、山際さんは『石原さとみ演じる妹は、姉の男を奪うようにみせて実際は、あるいは結果として男の裏を暴露し、姉に警告を発する。姉と妹は正反対で対立しつつ、「あなたは私」という自他の融合を果たしている。新しいドラマは、そのこと(姉妹であることの深いシンパシー)に意識的である』と批評しておられます。
どうやら姉妹愛はプチブームのやうでありまふ。最近の小説、ドラマは世の中の流行に敏感ですから、ほんわかした恋愛三角関係モノだけでなく、姉妹共犯の犯罪モノとかも続々登場してくるかもです(爆)。ま、小説・ドラマは多かれ少なかれ社会現象を取り入れる芸術形式であり、要は作品として優れていれば良いのでありますぅ。
■ 山際恭子 TVドラマ批評『No.066 ディア・シスター』 ■