日本が誇る世界的特殊作家、三浦俊彦さんの連載小説『偏態パズル』(第50回)をアップしましたぁ。通過点に過ぎませんが、三浦センセの『偏態パズル』、つひに50回を越えました。パチパチパチ~(喝采)。やっぱすごいことであり、目出度いことであります。孔子様は『五十にして天命を知る』とのたまひましたが、三浦センセは御年五十五歳でありまふ。三浦センセにしかできない仕事が佳境に入ったといふ気がします。
人生、若い頃に登り詰めるのもそりはそりでブヒブヒ楽しいですが、後半になるにつれて上り坂になってゆくのはMORE FUN!でありまふ。三浦センセ、もうほとんど怖いものナシですね。写真家の荒木経惟さんは、若い頃はエロ写真家と呼ばれましたが、今では世界的巨匠です。三浦センセもそうなりつつあるのかも。知力と社会性、それに思想的確信がなければ『偏態パズル』は書けないと思います。偉いセンセなのでありまふ。
三浦センセは今回の連載で『滑りやすい坂戦法』を解説しておられます。『タブー性の少ない、もしくは皆無のプログラムから、一段階においては微小な差異を設けながら、次第にタブー性の大きな、ときとして芸術的なプログラムへと昇華させて行く戦法。無意識的には、暴力アニメ、残虐アニメ。意識的には、ヘア出しスカトロビデオにみられた手法』でありまふ。三浦先生はこの戦法の例を挙げた上で、『視聴率マーケティング基準が自然にフェミニズム各方面への暗黙の釘を刺し続けているのがおろち紀元前の天然風土だった』と書いておられます。
『天然風土』に抗うといふ意味で、『滑りやすい坂戦法』は社会と密接に連動しながらある本質を明らかにしてゆく戦法です。もし社会が『滑りやすい坂戦法』に追いついてしまったら、三浦センセは別の審級に移動するでせうな。それが小説文学の醍醐味だとも言えます。『偏態パズル』は三浦センセの一つのテーマ=思想的核心を書きつくし、さらに別の審級に進むための作品なのでありますぅ。
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第50回) pdf版 ■
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第50回) テキスト版 ■