山際恭子さんのTVドラマ批評『No.051 HERO』をアップしましたぁ。木村拓哉、松たか子さん主演で放送されていたフジテレビドラマの続編です。今回はヒロインが北川景子さんに交代し、『孤独のグルメ』主演の松重豊さんも上司役で出演されています。松重さん、メチャクチャブレイクしてますね。年を取るほど魅力が増してゆく俳優さんのお一人だと思います。
ほんで山際さんは、『かつての「HERO」を観ていたら、一度は観ようと思うだろう。懐かしくて嬉しいのと、イメージが変わってがっかりするのとの拮抗にはなるだろうが、ようは新しい世界観にいかに早く視聴者を巻き込んでいけるか、ということに尽きるだろう。前の作品の記憶に惹かれて、チャンネルを合わせてくれているうちに、勝負を決めなくてはならない』と書いておられますが、その通りですね。HEROは視聴率が20パーセントを切るか切らないかで話題になっていますが、そんな話題自体、人気作品の証左であります。
山際さんはまた、『初代「HERO」の魅力は、リズムのある、しかし真摯さを失わないキムタクと松たか子のやりとりにあり、そこには若さの透明感や哀しみがそこはかとなく漂っていた。・・・そういうものは一回限りで、なかなか自己模倣することは難しい。・・・ならばいっそ成熟してしまったら、どうなのだろう。黒髪の九利生検事がスーツを着ていたら、彼の本質は損なわれるのか。・・・制作する側に、変わってほしくない本質は何なのか、ということが把握されている必要がある』とも批評しておられます。
続編モノで設定を大きく変えるには勇気が必要でしょうが、山際さんがおっしゃっているような方法も確かにあると思います。前に田山さんが『スーツとカジュアル』でドラマ批評を書いておられますが、日本人は制度からはみ出すヒーロー・ヒロイン、つまりスーツを脱ぎたがる主人公が大好きです。でもスーツを着て制度を受け入れても、本質は変わらないという設定も魅力的です。苦虫を噛みつぶしたような顔でスーツを着て制度をはみ出すキムタクさんも、見て見たいと思いますですぅ。