星隆弘 連載評論『翻訳の中間溝――末松謙澄英訳『源氏物語』戻し訳』(第27回)をアップしましたぁ。今回はいよいよ夕顔登場前夜といったところです。惟光が探偵バリに活躍します。覗き見、盗み聞き、板の橋から転げ落ちそうになる女房など、当時の読者(女性たちがほとんど)は大笑いしたでしょうね。
なぜそうなるのかと言えば、誰もが〝隠している〟からです。女童は「中将様です」とうっかり口を滑らせ、目上の女房は慌てて口をふさぎます。源氏も正体を隠し、車も使わずお供も一人だけで夜更けにしか通わない。「夕顔」の帖はその悲劇性が印象に残りますが、案外コミカルな秘密ごっこがあるんですね。
ともあれ夕顔がまだ姿を見せぬまま、周囲の人々の右往左往だけで一つの章が編まれてゆく。いやがおうにも期待が高まる。紫式部、やっぱ上手いです。
■星隆弘 連載評論『翻訳の中間溝――末松謙澄英訳『源氏物語』戻し訳』(第27回)縦書版■
■星隆弘 連載評論『翻訳の中間溝――末松謙澄英訳『源氏物語』戻し訳』(第27回)横書版■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■


