寅間心閑の肴的音楽評『No.124 勝利の女神!』をアップしました。今回の酒の肴はカルリーニョス・ブラウン、ザ・ブルーハーツ、クイーンの三本です。今回はいつもと異なり、二十数年来の呑み仲間を亡くした寅間さんが、彼との思い出を三曲に託して綴った追悼音楽エッセイです。
一曲目はカルリーニョス・ブラウンの「オムレツマン」。ブラジル・バイーア出身のミュージシャンで、パーカッション・グループ「ティンバラーダ」の創設者としても知られ、セルジオ・メンデスの名盤『ブラジレイロ』への参加でも大活躍しました。90年代、まだ打ち解けきっていなかった頃の呑み仲間がふと口にしたのがこの一枚だったそうです。出会いの時期を鮮明に記憶させてくれる曲として登場します。
二曲目はザ・ブルーハーツの「TRAIN-TRAIN」(1988年)。甲本ヒロトと真島昌利を中心とした日本のパンクロックバンドで、疾走感あるサウンドと真っすぐな歌詞で世代を超えて愛され続けていますね。かつて寅間さんのバンドが亡き友人のバックを務めた際、最初に決まった曲がこれだった。たった一度の練習であとは本番任せという豪胆さも、友人らしいエピソードとして語られます。
三曲目はクイーンの「ドント・ストップ・ミー・ナウ」(1978年)。アルバム『ジャズ』収録で、フレディ・マーキュリーの伸びやかなヴォーカルと疾走感ある演奏が魅力の一曲。ギタリストとして荷が重いと一度は固辞したものの、本番では意外な形で乗り切ったという顛末が明かされます。
訃報を受けての夜から数日、呑み屋を巡り歩きながら記憶と向き合う様子、そして高級ワインショップでひとり杯を重ねる場面など、酒場をめぐる描写はいつも通りですが「忘れないけれど、忘れていくんだろう」という言葉に音楽と酒への思いが重なります。
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■


