紫雲 連載小説『クローンスクール』(第07回)をアップしましたぁ。『クローンスクール』は自由を奪われ国家のために強制労働させられる苦しい場所ですが、それはすぐに社会になってしまいます。生き残るためには競争しなければならない。これはわたしたちが通った学校や、学校を卒業して就職した企業でも同じです。組織存続が至上命題になる。そして組織は社会と戦っているわけで、組織がどんなに奇妙なルールを持っていようとそれが法になる。
ただその法を破る者は必ず出て来ます。そうなると組織はその者を排除しようとする。主張を認めれば組織のアイデンティティが揺らぐからです。組織のアイデンティティは外の世界から見れば多かれ少なかれ特殊で疑い出すと綻びが大きくなってしまう。最悪の場合、組織崩壊にも繋がりかねないからです。
今回は『クローンスクール』の綻び篇です。この綻びは単純なものではなく、スクール内の権力闘争、主人公美雨が抱えている出生と生育環境の謎、それにクローン・プロジェクトのエラーが含まれます。駒のように登場人物たちが動く小説です。そして登場人物たちを動かすのはこの小説に与えられた理念です。面白くなってきました。
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