小原眞紀子連載小説『幕間は波のごとく』第30回をアップしましたぁ。いよいよホントに大団円。ようやく物語の帰結が見えて来ました。サスペンス小説ですがファミリーモノですね。これが一番恐ろしいかもしれない。イギリス王室なんぞ、何百年も前からモメていて、あまたのドラマコンテンツを提供しているわけですから。
小原さんの『文学とセクシュアリティ』がここに来てまた少しずつ動いています。この本は単なる源氏物語論ではありません。小説論なのですが、それが女性性ベクトルと男性性ベクトルのダイナミックな往還で紡がれていることを明らかにした画期的評論です。女性性と男性性は、必ずしも生物学的な男女性差ではありません。性別女性でも男性でも両方のベクトルを持っている。それを最大限に活かしたのが小説だということです。
小原さんの女性性ベクトルと男性性ベクトはテキスト曲線で概念化できるわけですが、それは小説の〝構造〟ということでもあります。日本の私小説、言うまでもないですが構造がありません。少なくとも構造意識なく書かれている。ただこの私小説の試み、ほぼ行き詰まりつつあります。日本の小説に最も足りないのは構造です。『文学とセクシュアリティ』は小説を書くためのノウハウ本でもあるということです。
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