寅間心閑連載小説『オトコは遅々として』(第03回)をアップしましたぁ。寅間さんの新連載小説です。寅間さんはオトコモノ小説を書き続けている数少ない作家ですね(笑)。この編集後記でもたびたび書いていますが、現代は圧倒的に女性作家に有利な時代です。有利というのは語弊があるかもしれませんが、女性性をテーマにした方が小説に説得力が出やすい。
石川、反ジェンダーとかいった政治的、社会的立場はまったく持ち合わせていませんが、小説において男女差を利用しない作家はアカンと思います。もち遠い将来は別ですよ。もしかするとホントに完全男女平等になるかもしれない。でも性差はなくならないわけですから男女問題は残ると思います。ひるがえって現代社会を見るとまだまだ男女問題は古典的相貌で残っている。それを小説に利用しないテはない、といふか、そこを無視すると小説は説得力を失ってしまう。
ただ男は社会的動物なので社会に連動して動く。必ずしも実社会に連動するという意味でなくても、ある種の抽象観念で生の指針が立ってしまうところがある。しかし現代社会ではそれが捉えにくい。地に足がついた女性性小説の方が説得力があり、書きやすい由縁でもあります。
現代の比較的若い作家で幼年時代や青春時代をテーマにする作家が増えています。そこにしか作家の拠り所が見出せないという側面もあるからでしょうね。だったら妻や恋人の妊娠を男の側から描いてもいい。観念と地に足がついた女性性との対立・対峙ですね。『オトコは遅々として』の展開、楽しみです。
■ 寅間心閑新連載小説『オトコは遅々として』(第03回)縦書版 ■
■ 寅間心閑新連載小説『オトコは遅々として』(第03回)横書版 ■
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