寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『三十九、喫煙スペース』をアップしましたぁ。また新たな事件発生です。今度は店長さんですが、そこに奥さんと安藤さんと主人公の俺が絡んできます。アメーバー状にどんどん拡がる小説です。
小説では事件を起こさなければ話にならないわけですが、事件は心理的事件と物理的事件に大別できます。心理的事件の場合は他者が主人公の内面に決定的な影響を及ぼさなければならない。どんなささいなことでもいいわけです。葛西善蔵は香典返しの山本山の海苔の罐が凹んでいたというだけで非常にインパクトのある私小説を書きました。物理的事件の場合は今回のように事故とか刃傷沙汰が起こらなければ物語は進みません。また移動も大事ですね。物理的事件では一箇所に留まっているわけにはいかない。動く必要があります。心理的事件の場合はその処理が上手くいっていれば、部屋から一歩も出なくてもいいわけです。
で、一方の鍵を握る安藤さんは冷静というか、しれっとしていますね。このあたりが女の人の描き方の鍵となっているでしょうね。もちろんどんな女の人の描き方でもいいわけですが、小説では多くの場合、作家の異性の描き方によって固有の世界観が表現されるわけです。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『三十九、喫煙スペース』縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『三十九、喫煙スペース』横書版 ■
■ 金魚屋の本 ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■