寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『クレプトマニア』をアップしましたぁ。文学金魚新人賞を受賞作家同士の松岡さんと寅間さんの対談、それに松岡、寅間さんのYouTube用のパブリシティ動画も公開しています。そちらの方も読んで、見ていただければと思います。
書くのに比べると対談や討議、インタビューなどは簡単な印象があります。でも実際はそうではありません。作家の場合、書いている作品がしっかりしていなければ、発言も軽くとりとめのないものになってしまうのが普通です。石川はテープ起こしもしますから、そういう点にも気づきます。作家は社会に向けて自己の作品を発信してゆく存在ですから、あらゆる側面から常に試されることを覚悟しなければなりません。寅間さんと松岡さんの対談は石川的には及第点です。
石川はYouTubeの文学金魚ちゃんねるで、茫漠とした文学青年・少女の夢を壊すようなことをしばしば言います。しかし本当のことが多いのです。文学金魚はまだ歴史が浅いですが、歴史の長い文芸メディアでも本の出版までこぎ着ける新人作家は多くても25パーセントくらい、4人に1人くらいでしょうね。5年後、10年後になんとか文学界に踏みとどまっている作家はさらに少なくなる。好きなことを仕事にする宿命です。そう簡単ではありません。
夢を持つのは大事なことです。夢がなければ味気ない日常になってしまうのもしばしばです。ただ夢は現実の厳しさにさらされて初めて実現可能性を帯びます。石川が茫漠とした夢をあえて壊すのはそのためです。何度も言っていますが、作家にとっては新人賞は通過点に過ぎません。しかし現実を見据えそれを変えてゆく力と確信がなければ、新人賞すら通過できないことが多いのです。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『クレプトマニア』縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『クレプトマニア』横書版 ■
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■ 第10回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第10回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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